Rule

「裏切る気なら、殺せ」

「・・・は？」

「裏切るより前に、殺せ」

「・・・え？」

「優しいアンタで殺せ」

「・・・誰を？」

「俺を」

「・・・裏切りませぬ」

「腹の内なんざ、見えねぇよ」

「裏切りませぬ」

「・・・なら、裏切らないなら」

「はい」

「アンタの全てが欲しい」

「・・・この熱に、耐えられますかな？」

「Ha・・・、裏切らないなら、耐えられるさ」


真正面からの熱には、いくらでも耐えられる。
耐えてやるさ。

だから、アンタが俺を裏切る気なら
裏切る前の優しいアンタの儘
逝かせてくれ、なぁ・・・Honey？



自分が全てを曝け出す相手が
自分を裏切らない、という確証が無いのが恐ろしい。
本人に聞いたって意味など無い。
保身の為の行為が馬鹿らしくて
それでも口から滑り出す言葉を止めなかったのは
そんな女々しい感情がいつの間にか
俺の体を蝕んで、根を張ってしまったからかも。

いっそのこと、枯れてしまえ。
感情など、一切無くていい。

狂うほど、愛してやるよ。







求め合うのって、怖いことだらけ。
腹の内なんて見えやしない。